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2007
Mac OS X Server Tips : ポータブルホームディレクトリ(その2)
ポータブルホームディレクトリを設定する
この記事では実際にポータブルホームディレクトリを利用できるように設定する方法を実例を示しながら紹介します.ここでは前提としてMac OS X Server のマネージメントの経験があり、Workgroup Manager を使ってユーザアカウントの作成や更新作業が一通りできるものとして話を進めます.
ポータブルホームディレクトリを使えるようにするには、まず通常のネットワークアカウントを作成します.例として”mobiler”というアカウントを作成します.ホームディレクトリの場所はネットワーク上の任意のサーバで構いませんが、ここでは “server2.home.yoko” というサーバがユーザのホームディレクトリを供給しているサーバです.
通常のネットワークアカウントの作成が済んだら、Workgroup Manager のPreferences pane に切り替え、その中からMobility を選択します.設定する箇所はたくさんありますが、とりあえず写真の通りに設定します.
“Options”の指定でホームディレクトリをどこに置くか指定する箇所がありますので、”user chooses” を選び”any volume” を選択します.この指定をすることで、ユーザが最初のログイン時に自分の好きな場所にホームディレクトリを置くことが可能です.
前回の記事で、アカウントの種類として、モバイルアカウントとExternalアカウントがあると述べましたが、実はこのホームディレクトリの置き場所によってモバイルアカウントとして振る舞われるのか、Externalアカウントとして振る舞われるのかが決まります.
コンピュータの起動ボリュームに作成した場合 → モバイルアカウント
それ以外のボリュームに作成 → Externalアカウント
ということになります.この両者の違いはアカウントの管理の方法とホームディレクトリの場所だけで、本質的な違いは無いようです.
Workgroup Manager の設定を済ませ、クライアントコンピュータ上で”mobiler” アカウントでログインすると、まず最初にポータブルホームディレクトリをどこに置くか尋ねられます.ここではモバイルアカウントとして設定するので、起動ボリュームである “Leopard”を選択します.サーバ上に置かれているホームディレクトリが起動ボリュームの”Users”フォルダにコピーされ、ログイン完了です.
ログオフ時には、変更されたデータがサーバに書き戻されます.ログインダイアログに “mobiler” が加わっていますね.
クライアントコンピュータがネットワークにつながっていない場合は、オフラインでログイン可能で後でネットワークにつなげた時にサーバとの間で同期が取られます.
モバイルアカウントの設定は WorkGroup Manager で管理者が予め設定する以外にも、ユーザ自身でもサーバとの同期の方法や対象ディレクトリ(フォルダ)を設定可能です.System PreferencesのAccounts でこれらの設定を行うことができます.モバイルアカウントユーザのホームディレクトリはシステムの標準の場所である “/Users” ディレクトリ下に置かれ、アカウント設定ファイルは他のローカルアカウント同様、”/var/db/dslocal/nodes/Default/users” 下に作成されています.