Mac OS X Server 10.7 のテスト導入

これまでMac OS X Serverに関しては初期のバージョンから使ってきており慣れ親しんだサーバOSであったが、昨年のMac OS X 10.7 (Lion) と同時にリリースされた Mac OS X Server 10.7 については全く触れる機会がなかった． Mac OS X Server 10.6 (Snow Leopard Server) までは、クライアント版のMac OS とは別なOSとして単品販売されていたが、Mac OS X Server 10.7からは単品のサーバOSではなく、既存のクライアント版のMac OS に付加するパッケージアプリケーションとして販売される形式に変更された．

販売形式が変わっただけではなく、Mac OS X Serverの値段がこれまでの1/10の$49.99になってしまった．これまで別ライセンスだったXsanのクライアント機能が標準で組み込まれるなど、驚くような変化がMac OS X Serverにもたらされたのだが、どうやら値段だけではなく、Mac OS X Serverそのものの位置付けが劇的に変化してしまったようだ．これまでのワークグループサーバとしてのエンタープライズ的な要素が消え、よりパーソナルなホームサーバとしての位置づけに変化したと言っても良いだろう．

ある意味でMac OS X Serverシリーズの終焉とも言えるこの方針変更はかなりショックだった．Appleの主軸がiPhoneやiPadに移ってしまったので、もはやMac OS X やその管理システムとしてのMac OS X Serverは消えゆく運命なのだろう．

今回、Mac OS X Server 10.7 をテスト導入してみて、これまで慣れ親しんできたMac OS X Serverが過去の遺物となってしまったことを実感した．

サーバアプリケーションのインストール作業

Mac OS X Server 10.7は 単独のOSシステムではなく、クライアント版のMac OS X 10.7 上で動く各種サーバアプリケーション群として機能するようになっている．サーバ版もクライアント版のMac OS X 10.7と同様に、Mac App Store 経由で購入する形になっている．

Mac OS X Server 10.7を購入しダウンロードすると、”Server.app” という単独のアプリケーションパッケージがApplications フォルダに組み込まれる．インストール作業は簡単で、この”Server.app” をダブルクリックして起動すると、初回のみMailやWebサーバ等の各種サーバアプリケーションがAppleのサーバからダウンロードされ、自動的に手元のマシンにインストールされる．インストールが終了すると、”Server.app”　はサーバの環境設定や運用管理を行う管理ツールとして働くようになる．

ダウンロードされた Serverインストール＆管理用アプリケーション “Server.app”

初回起動時には各種サーバアプリケーションがダウンロードされ構築作業が始まる

Open Directory の管理用アカウントのセッティング

サーバの初期環境設定が終わると”Server.app” はサーバ管理アプリケーションとして機能する

“Utilities” フォルダには Xsanの管理ツールが追加されている

ユーザやサーバ環境の管理方式が激変しました

Mac OS X Server 10.6 までは、Server Manager と Workgroup Manager という２つのサーバ管理アプリケーションを通じて、ユーザ情報や各種サーバアプリケーションの管理を行っていましたが、Mac OS X Server 10.7 からはこれらの管理アプリケーションは、 “Server.app” を通じて、WEBアプリケーションベースのものに変更されています．

見た目ばかりではなく、ユーザ管理の方法や機能も劇的に変更されていますので、これまでのMac OS X Serverの運用・管理スキルが通じません．正直なところここまで激変するとは思ってもいませんでした．

あまりにもサーバ環境の変化が大きく、まだどのように構築・設定して良いのかさっぱり分かりませんので、もう少しLion Serverに慣れてから報告したいと思います．

サーバ管理やユーザアカウント管理の方法がこれまでの方式と全く異なっていてかなり面食らった