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2007
Intel Mac で Solaris : その2
既存のパーティションにSolarisをインストールしてみる
今回はSolarisをマルチブートシステムに対応させるため、既存のパーティションスキームの中にインストールしてみます.Solaris のインストーラーの振る舞いを見る限り望みは薄いですが、とりあえず挑戦してみましょう.
既存のパーティションの中にインストールする前に、まずはSolarisの標準的なインストール形態である、1台のハードディスク中にSolaris独自のパーティション(スライス)に割り当てる方法でMacBookにインストールした場合のパーティションの構造を調べてみます.
外付けのハードディスクからMac OS X を起動すると、Mac OS X からは内蔵ハードディスクが読み込めないらしく、ハードディスクを初期化するかどうか尋ねるダイアログが現れます.どうやらMac OS X からはこの内蔵ハードディスクにはアクセスできないようです.DiskUtilityでは パーティションタイプは MBR パーティションとして認識しているようです.パーティションのタイプを表すコードは “BF” で、これは新しいSolarisのファイル形式である ”Soalris 2” のようです.以前の SolarisのパーティションタイプのコードはLinux swap と同じ 0x82 を使っていましたが、新しいSolaris では “0xBF” に変更になったようです.尚、MBRにはSolarisのブートローダが書き込まれています.
sh-3.2# diskutil list
/dev/disk0
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: FDisk_partition_scheme *93.2 Gi disk0
1: 93.1 Gi disk0s1
sh-3.2# fdisk /dev/disk0
Disk: /dev/disk0 geometry: 12161/255/63 [195371568 sectors]
Signature: 0xAA55
Starting Ending
#: id cyl hd sec - cyl hd sec [ start - size]
------------------------------------------------------------------------
*1: BF 1 0 1 - 1023 254 63 [ 16065 - 195173685]
2: 00 0 0 0 - 0 0 0 [ 0 - 0] unused
3: 00 0 0 0 - 0 0 0 [ 0 - 0] unused
4: 00 0 0 0 - 0 0 0 [ 0 - 0] unused
sh-3.2#
この状態では他のOSとの共存は不可能ですので、ハードディスクをパーティションに分割した状態でSolarisを動かせるようにしなければなりません.Sunのホームページに Windows とのデュアルブートシステムに関するガイドがありました.
[ Sun Developer Network : “x86: Solaris Express Developer Edition 9/07 Getting Started” by Barbara Lundquist, September 2007 ] 〔リンク切れ)
このガイドには、既存のWidnows XP (C: ドライブのみのシングルパーティション構成)を縮小し、後方に空き領域を作成し、それをパーティション分割ツール “GParted” で Linux Swap (0x82) としてフォーマットし、それをSolaris用に割り当てています.つまりパーティションを ”Windows XP”用の FAT32/NTFS と “Linux Swap( Solaris 用) “ の2つのプライマリ(基本)パーティションに分け、Solaris 用のパーティションを更にSun 独自のパーティションスライス(最大7スライス)に分割しています.この場合、既にWindowsが動いている環境なので、パーティションの構造は 通常のMBR パーティション形式ということになります.
MBR パーティション形式でパーティションに分割し、プライマリパーティション内にSolaris用のパーティション領域を確保することは簡単ですが、Intel Mac での Mac OS X の基本的なパーティション形式はGPT (GUID Partition Table) です.問題は、このGPTの疑似的なMBRの構造を、Solaris自体がきちんと認識し適切な処理を行ってくれるかという事です.一般的な DOS/V マシンでさえ fdiskなどのSolaris のディスクツールとの間で、相性問題が生じ易いというのに、果たしてGPTのような疑似的なMBR環境下でSolarisのディスクツールがまともに動作するとは思えません.望みは薄いですが、GPT形式のパーティションが Solaris でどのように扱われるか確認してみることにします.
GPT 内のパーティションは Solarisのインストーラにどのように認識されているか
まず、Fedora Core 8, Ubuntu 7.1, Windows XP, Mac OS X(10.5) のマルチブートシステム(パーティションの形式はGPT)のパーティションに対して、 Open Solaris Express Developer Edition のインストーラがどのような反応をするか探ってみました.
このマルチブートシステムのパーティションの構成は次のようになっています.
#1 EFI System
#2 Fedora Linux ext3 → Linux swap(0x82) へ変更
#3 Ubuntu Linux ext3
#4 WinXP NTFS
#5 swap Linux swap
#6 Leopard HFS+
#7 Home HFS+
このハードディスクのパーティションのうち、#2の Fedora Core 用のパーティションを Solaris用に変更して試してみます.Mac OS X の標準のツールではHFSかFAT32にしか対応していないので、iPartition 2.0 などのツールで Linux Swap (0x82) 形式に変換します.
尚、今回は “GPartd” で行いましたが、GPartedの元になっている “GNU Parted” では一応 GPT形式のパーティションに対応しているようですがまだバグがありそうです.これでパーティションに修正を加えると WindowsやLinux が起動できなくなる可能性があります.ご注意下さい.
今回はハードディスクの内容を壊しても構わなかったのでこのツールを使いました.尚、このツールを使うには、起動用のCD-ROMのイメージファイルが “SystemRescueCD” として配布されています.CD-ROMから起動してハードディスクを操作できるとても便利なユーティリティーCDです.
Open Solaris のDeveloper Edition のインストーラからは、やはりきちんと認識されていないようです.Express Edition でも試してみましたが、やはり正しく認識されていません.やはりGPT形式ではインストールは無理なようです.