Hatch Memorial Shell, Boston


Date/Time: 2006:07:30 10:33:19
Camera: FUJIFILM
Model: FinePix F401
Exporsure Time: 1/450
FNumber: 7.0
Aperture Value: 5.6
Focal Length: 5.7

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2015

Raspberry Pi 2 + Volumio + DAC でネットワークオーディオに挑戦(その5)

DIYINHKのDACモジュール用のドータカードの作成


自己クロックモードで無事音出し成功
ドータカード化&自己クロックモードでI2Sモードで無事音出し成功

今回テスト用のDIYINHKのDACモジュールを2種類購入してみたが、この2枚のDACモジュールのサイズは50mm x 50mm で、ピンの配置も全く同じなので、DIYINHKのDACモジュールを載せる専用のRaspberry Pi 2 用のドータカードを作成してみた.これにより2種類のDACモジュールを取り替えて音質の違いなど好みに応じて簡単に切り替えることができるようになる.


ES9023 DACモジュールの自己クロック化


DIYINHKのDACモジュールのうち、Sabre ES9023 DAC チップを使った方は水晶発振器を基板に追加してクロックを自らの基板内で発生させることが可能だ.Raspberry Pi のI2Sドライバでは、マスタークロックをDACチップに供給することができないので、I2S信号を基にPLLでマスタークロックを内部生成しても、クロック自体の精度は良く無さそうなのでジッターの影響等が懸念される.DACチップに外部の高精度な水晶発振器で発生されたクロックを供給することで、より正確な時間軸のDA変換が行えることになるだろう.


DIYINHKのホームページでは、CRYSTEK製の 957/7050/5032/3225 (50.00MHz)水晶発振モジュールを使用するという説明があるが、今回は秋葉原の秋月電子で簡単に入手できた CSX-750PB(B) というCITIZEN電子製の40.00MHzのモジュールを使って見た.この水晶発振器の周波数安定度は +/- 50ppm と精度としては普通のランクだが、3.3Vで稼働させることができ、サイズも丁度 7.0mm x 5.0mm の表面実装タイプなので、DIYINHKのES9023基板には丁度良い.


50MHzの水晶発振器に関してはマルツで、京セラの KC7050A50.0000C30E00 という同じような精度の物が売られているようだが、お店で在庫を聞いたら取り寄せになるとのことだったので、今回はその場で入手可能だった秋月の40MHzで代用した.


DIYINHKからも、NDK NZ2520SD 3.3V シリーズの水晶発振器を販売しており、80.0, 49.152,45.1584,24.576,22.5792,12.0 MHz の6種類を購入可能だ.ただ、こちらの水晶発振器のサイズは 2.5mm X 2.0mm と極小サイズなので、これを基板に実装するのは大部苦労しそうだ.一般的なデジタルオーディオの基本fsである、44.1KHz, 48.0KHzの512倍、1024倍なので、マスタークロック用としてはこちらの方が適しているかもしれない.


水晶発振器の他に、0.01μFの積層セラミックコンデンサ(表面実装用のチップタイプ)とフェライトビーズ(表面実装チップタイプのインダクター)村田製作所 BLM21P331SN1D を購入する.セラミックコンデンサは以前に千石電商で購入した0.1μFの余りを使用し、フェライトビーズは秋月電子で売っていた物を適当に購入した.水晶発振器の電源ラインに直列に入れる物のようなので、無ければ半田ブリッジでも構わないとは思うが、今回手に入れたフェライトビーズの特性は、インピーダンス 330Ω、定格電流 1,500mA、直流抵抗 0.09Ω という特性の物だった.20個入のパッケージで100円なので、今後も何かの用途に使い回しが効きそうだ.


基板の水晶発振器取り付け用のランドが用意されているので、そこに水晶発信器の4つの端子を間違わないように取り付ける.端子間隔も広くそこそこの大きさなので半田付けそのものは割とやり易い.問題は0.1μFのチップコンデンサとフェライトビーズの半田付けで、こちらは肉眼で取り付けるのは至難の技だ.実体顕微鏡のような物がなければきちんと半田付けされているのかどうか見極めることは難しいだろう.MCLKピンと素商発信器の出力ピン#3がパターンでつながっているが、MCLKピンからマスタークロックを入力せずに自基板の水晶発振器を使う場合にはこのMCLK側ピンにつながるパターンはカッター等で切り離して置いた方が、水晶発振器のクロックが安定するだろう.


ES9023 DACモジュール
DIYINHK ES9023 DACモジュールには水晶発振器取り付け用のランドが用意されている



Raspberry Pi 2 用のドーターカードの作成


表面実装タイプの小さなチップに悪戦苦闘しながら何とか半田付けできたようなので、本番のRaspberry Pi 2 用のドータカード作りに取り掛かる.唯単にドータカード化するのでは面白味が無いので、今回はデジタルアイソレータチップ Texas Instruments ISO7640FMを使って、Raspberry Pi 2 側と DAC モジュールのI2S信号の受け渡しを行い、Raspberry Pi 側のコンピュータノイズの影響を極力受けない様にすることにする.今回、ISO7640FMに関しては共立エレショップで入手した.Digi-Keyでも購入可能で、Digi-Keyでは1個933円で購入可能だ.他のメーカ製の物としては、Silicon LabsのSi8440なども定番で、こちらはDigi-Keyで1個243円とお手頃価格で売られている.


今回の主要部品
今回のドータカード化の主要部品

今回のドータカード化に際して、手持ちの適当なユニバーサル基板を使う予定でいたが、Raspberry Pi B+ 専用のユニバーサル基板がSunhayatoから販売されていたので、お値段がちょっと高いがとても使い易そうだったので購入してみた.Raspberry Pi (B+用だが勿論 Pi 2 もOK)専用ということもあり、ピンの用途が刻印されていたり、表と裏を使い分けることで、重箱タイプの重ね合わせや基板をずらせて使うオフセット方式の両方に対応可能だ.今回は親亀の上に小亀を載せるドーターカード方式とした.


Raspberry Pi 2 からのI2S信号をデジタルアイソレータISO7640FMで電気的に完全に分離する事により、電源ラインもRaspberry Pi とDACモジュールとの間で分離する事ができる.今回はRaspberry Pi 2 用の +5V ラインを1系統、DACモジュール用の +5V ラインを1系統それぞれ別に用意する事で、電源部からのノイズの回り込みを極力少なくする事を狙い、高音質化を謀ることにする.勿論Raspberry Piの電源も電源トランス式の安定化電源を用いていることは言うまでもない.


ドータカード接続コネクタ
今回は基板付属のコネクタ(右)を使わずに、延長用の長めのピンソケットを使った

TI ISO7640FM
デジタルアイソレータ TI ISO7640FMをDIP変換基板に実装しておく

ドータカード
ドータカードの上面はDIYINHKのDACモジュール接続用の20pinヘッダーを取り付けておく

完成したドータカード
完成したドータカード

3段重ね
Raspberry Pi 2 + ドータカード + DACカードの3段重ね

Raspberry Pi 2 のGPIOポート
Raspberry Pi 2 のGPIOポートもそのまま活かしてあるので、I2C等でDACチップやDAIチップ等の制御が可能



デジタルアイソレータ ISO7640FM 廻りの回路図


ISO7640FM廻りの回路はとても単純なのでデータシートを見れば使い方が直ぐ分かると思うが、とりあえず参考回路図を載せておく.


Digital Isolation Circuit
参考回路図(Raspberry Pi の場合は MCK は出力されないので、LRCK,BCK,DATA のみでOK)


ISO7640FMはちょっと高価(Digi-Keyでも1個1000円近くする)なので、代わりに Silicon LabsのSi8440で代用することも可能.この両者は完全なピンコンパチブルなので、そのまま置き換える事が可能.この回路で重要なのは、必ず入力側(Raspberry Pi側)と出力側(DAC側)のグランドと供給電源を完全に分離する(完全な別系統電源を用意する)こと.これを行わないとデジタルアイソレーションの意味が無くなってしまう.


Raspberry Pi の場合は、入力側のVDD1はRaspberry Piの+3.3Vの供給端子から給電することが可能.Amanero Combo384等のUSB/I2Sモジュールも+3.3V出力があるので、USB端子からのバスパワーを用いた給電が可能.DIYINHKのXMOS USB/I2Sモジュールに関しては、そのままではUSBからの3.3V給電ができないので、XMOS USB/I2Sモジュールを改造してUSBから3.3Vを受電できるようにするか、またはDACとは別系統の+3.3V電源を用意する必要がある.