7
14
2015
自作デジタルオーディオ(デジット編)
デジットキット(共立電子)シリーズで自作DACの構成を試行錯誤してみる
これまでDENONのDA-300USBの電源廻りの改造を色々と行ってみたが、DACチップの交換やパラメータ等の変更を行うには専用の回路や制御プログラムを組まなければならないのでそう簡単には事は進まない.DA-300USBの更なる改造は一先ず置いておくことにして、今回はデジタルオーディオ系の回路や組み合わせのお勉強を兼ねて、共立電子がデジットシリーズとして販売している、『デジット 自作オーディオ実験シリーズ』の基盤を組み合わせて、実験用DAC1号機を組んでみた.
共立デジットシリーズを中心に組み合わせた『実験DAC1号機』
『実験DAC1号機』で使用している共立デジットキットシリーズのデジタルオーディオキットの組み合わせは、
・DAIトランシ-バ独立実験基板 / WM8805_G Rev.2 ¥2,880 http://eleshop.jp/shop/g/gD5E411/
・PLLクロック独立実験基板 / CLK_1707_D ¥2,757 http://eleshop.jp/shop/g/gBC1414/
・非同期サンプルレートコンバータ独立実験基板 / SRC_4192_A ¥4,094 http://eleshop.jp/shop/g/gC33414/
・24bit 192kHz DAコンバータ独立実験基板 / DAC_1792_B ¥4,526 http://eleshop.jp/shop/g/gBC1415/
・デジタルオーディオ試作実験用電源基板KIT / PS-AUDIO-AC ¥4,104 http://eleshop.jp/shop/g/gC7E413/
・平衡-平衡反転アンプキット / OPAMP_B ¥1,420 http://eleshop.jp/shop/g/gB7C415/
・平衡-不平衡変換アンプキット ゲイン1倍タイプ・2回路 / BALUN_2134 ¥1,625 http://eleshop.jp/shop/g/gB6T411/
共立デジットキットシリーズ以外に、DIYINHKの “XMOS DSD DXD 384kHz high-quality USB to I2S/DSD PCB”とエムアイテイク Mi-Takeさんの 新・Muting基板 V3.0 を組み合わせている.
SRC(Sample Rate Converter) モジュール
このキットのモジュールの組み合わせで注目すべき点は、Texas Instruments のSRC4192というサンプルレートコンバータチップを用いたサンプリング周波数変換(&量子化ビット数補間)モジュールで、CDレベルの 44.1KHz/16bits 信号を 最大224KHz/24bits にアップサンプリング(設定によりダウンサンプリングも可能)してくれる事だろうか。
源信号をアップサンプリングしてからDACに渡すことで、ローパスフィルタの遮断周波数を可聴域外の高い周波数に持って行く事ができ、なだらかな減衰特性のローパスフィルタを用いる事ができるので、音質的にはかなりメリットがあると思われる.SRC4192がどのような補間アルゴリズムを用いているのか分からないが、恐らく線形補間などの単純なアルゴリズムによるものだろう.DENONのDA-300USBはAL32と名付けた独自の補間アルゴリズムを用いている事を売りにしているが、果たして補間方式の違いがどの程度音質に影響を与えているのか比較実験してみたいものだ.
DA-300USBの補間方式が単純な補間方式に比べて優れているかどうかは微妙な所だが、SRC4192によるアップサンプリングも本質的には同じものと言っても良いだろう.
さてこのSRC4192を用いてアップサンプリングさせたいのだが、最初のうちはどのように設定すれば望み通りのアップサンプリングができるのか良く分からなかった.オシロスコープやロジックアナライザーの画面を見ながら試行錯誤を繰り返すことで、ようやく望み通りのアップサンプリングができるようになった.
ロジックアナライザでI2S入力信号(48KHz/16bits)とアップサンプリングされたI2S出力信号を比較してみる
アップサンプリングされたI2S出力信号(192KHz/24bits)を拡大してみる
上記の画像から48.0KHz/16bits の I2S 信号が SRC4192 によって、192KHz/24bits のI2S信号に変換されている事がお解り頂けるだろうか.