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09
2015
PHILIPS LHH-300R CD Player
我が家のLHH-300Rが復活
発売から20年近く経過してもまだ現役で活躍していて欲しいPHILIPS LHH-300R
長年我が家のメインCDプレーヤーとして活躍してくれたPHILIPSのLHH-300Rだったが、デジタルオーディオプレイヤーの主役をiTunes(Audirvana)に譲った後は、単なるDACとして使ってきた.今年の2月にDENONのDA-300USBを導入をきっかけに自作DACを作るようになってからはすっかり影が薄くなってしまった.
実は影が薄くなってしまった原因はこれだけではなく、CDドライブのトレイの開閉が出来なくなるというCDプレイヤーとして致命的な故障を抱えてしまっていたことが大きいだろう.LHH-300Rの発売自体は1996年のことなので、20年近く使ってきたので故障するのは仕方が無いとしても、未だに結構良い音を響き渡らせてくれる愛着のあるマシンだ.ネットで調べて見ると、この当時のPhillipsのCDプレイヤーはスイングアーム方式の CDM-X というシリーズのCDドライブ装置を使っていて、LHH-300Rの場合はCDM-9という型番のドライブを使っている.
大部前からにCDドライブのトレイの開閉が出来なくなっていたのだが、以前に中を開けて故障の原因がトレイを繰り出しに使われているラック&ピニオン方式の回転ギヤ(ピニオンギヤ)が摩耗して噛み合わなくなったためであることは確認していた.今となってはメーカのPHILIPS(当時は日本マランツが扱っていた)の修理も受けることもできず、CDM-9という型番のドライブも入手不可能なので修理は諦めていたのだが、リペアオーディオパーツさんという個人ベースのWEBショップでCDM-9用のピニオンギヤ駆動用のプーリーを売っている事を知り早速入手してみた.
このピニオンギヤ駆動用のプーリーはPHILIPSのLHHシリーズのCDプレイヤーで使われていたCDMシリーズのCDドライブメカのアキレス腱のようで、質の悪いプラスチックを用いたためか非常に壊れやすく、時間の経過とともにプラスチックが可塑化して直ぐにギヤが欠けてしまうようだ.この補修用のパーツが出回っているという事は、同じような症状で困っている人達が大勢居るという事だろう.
現在のハイレゾリューションオーディオと較べると性能的には遠く足下にも及ばないかもしれないが、出てくる音は結構気に入っている.ディスクリート構成のバランスドアンプのドライブ電源は+/-48V近い高電圧で駆動されおり、アンプ基盤のど真ん中に太い電源バスバーが剥き出し状態で配置されているのが印象的だ.
残念なのは基盤の半田付け状態が良くなく、半田の質が悪いのかトランジスタやFETが半田クラックを起こして時々音が出なくなる.これまで何回か半田クラックが原因で音が割れる(プッシュプルの片側が潰れる)を起こしているので、数十箇所を半田付けし直してある.
LHH-300R のバックパネル
今となっては少数派の3番HotタイプのXLRバランス出力端子
LHH-300Rの内部を開けると中央にCDドライブメカと電源トランス、左側にデジタル制御系、右側にアナログ処理系
制御系とデジタル信号処理系の基板
DACチップとアナログ信号処理系の基板
アナログ信号処理系はディスクリート構成によるバランス出力回路が組まれている
デジタルフィルタのTDA1307チップ
当時としては先端的だった 1 bit DACであるTDA1547チップ(通称DAC7)が使われている
CDM-9ドライブと電源トランス
問題の欠けてしまったピニオンギヤ
ピニオンギヤプーリーを補修用パーツと交換する
(可塑化のためプーリーを取り外す作業中にバラバラになってしまった)
最後に無事トレイが開閉する事を確認して修理完了!!!