10
03
2020
NURO光を導入してみた
NURO光の開通までは我慢の連続
これまでインターネット回線としてFLET’S光のVDSLサービスを使ってきたが、やはりVDSLでは光ファイバ接続のようなスピードは出ないので、FLET’S光のファイバー接続サービスが使えるようになるのを待っていたが、見込みがなさそう(NTT東が消極的?)なので、近所のNURO光サービスが使えるという住棟に転居することにした.
引っ越し自体は8月20日行ったが、NURO光の申し込みは7月上旬に行っていた.NURO光の導入には時間が掛かると聞いていたので事前に加入手続きを行って、引っ越し後になるべく早く使えるように要請したが、開通手続き関連の通知書は現行の住所には送付できないと言う.宛先不明で通知書がNURO側に戻った場合は申し込み自体がキャンセルとなるので、転居後に再度加入申し込みを行えとの事だった.
巷の評判通り、NURO光のユーザ窓口の対応はとても残念なサービスレベルだった.その後、NURO光側からは何の音沙汰も無かったので、てっきり申し込み自体がキャンセルされてしまったのだろうと思っていたら、引っ越した直後に加入手続きに関する通知葉書が届いた.NURO光側で転居後に通知書が届くように配慮してくれたのかもしれない.
転居先に届いたNURO光の加入手続き案内はがき
通知書の案内に従って、マイページにアカウントを登録し、工事日の調整連絡が来るのを待っていたが、一向に連絡が来ないので、こちら側で先手を打って、工事日程調整用のホームページから工事可能な日を調べて、工事予約を行った.どうやらNURO光の手続きはこちら側からアクションを起こさないといつまで経っても埒が開かないようだ.
NURO光がすんなり開通しないことは予想していたので、今までのたFLET’S光(VDSLタイプ)も引っ越しと同時に使えるようにしているが、FLET’S光サービスに関してはNURO光のサービスを評価した後、解約するかどうか決めるつもりだ.FLETS光 VDSLマンション+16(3,135円)+ プロバイダ料金 ( 数千円 /月)の組み合わせでは、プロバイダサービス一体型のNURO光(2,500円)に対して、金額、スピードの両面で全く太刀打ちできないのは明らかだろう.
宅内配線工事
今回は転居先の居住棟の共用通信機器スペース(MDF室?)にNTTやKDDIなどのファイバが引き込まれており、共用通信機器スペースから居室内までの比較的簡単な通線工事だけなので、工事作業自体は数時間程度で済んだ.
共用通信機器スペースから居室内までの光ファイバの引き込みは、既設の電話線配管では無くLAN配線経路(NTT-MeのWAKWAKサービス)を使った.リビングの壁にはLAN配線のコンセントが(外部LAN接続ポートと宅内の各部屋へのLANポート)埋め込まれているので、比較的容易に部屋まで光ファイバを引き込むことができたようだ.
屋内配線に使ったシングルモードファイバケーブルは、既設の配管内に後から追加することを想定しているのか、表面がツルツルのプラスチックでモールドされた細くて結構腰の強い2x3mm程度の矩形のケーブルだった.このケーブルなら既設の電話線の配管内でも通線し易そうだ.
宅内配線用光ファイバケーブル(古河電工製 AWL X 1 / UVKEFR )
LANコンセントパネルの隙間から光ファイバを直出し
最近はコネクタで簡単に成端できるようだ
ルータ一体型 GPON ONUは ZTE F660A だった
とりあえず開通
今回、NURO光から提供されたONU一体型のルータはZTEのF660Aだった.最近は、このF660AかHUAWEIのHG8045Qのどちらかがユーザに提供されているようだ.マニュアルが公開されているので、F660Aの仕様を確認してみたが、一般のユーザにとってはちんぷんかんぷん、専門家にとっても曖昧で意味不明な記載内容なので、このONU一体型ルータがまともに機能する事は期待できそうもないようだ.
・HG8045Q 取扱説明書 : https://www.nuro.jp/pdf/device/manual_HG8045Q.pdf
・F660A 取扱説明書 : https://www.nuro.jp/pdf/device/manual_ZXHNF660A.pdf
NURO光が採用している光ファイバー経路の通信方式は、G-PON(ITU G984.1/2/3/4)方式で、一本の光ファイバで最大256台までのONUを接続することができる方式のようだ.NURO光がこのG-PON方式を採用した経緯が ImpressのInternetWatch『「2Gbpsの帯域をフルに活用して欲しい」So-net担当者に聞く、世界最速「NURO光」』という記事で紹介されている.
先ずは、F660A単体でLANポートにノートPC(MacBook Air 2012: Thunderbolt Ethernet Adapter)を有線でつないでみる.NUROのONU一体型ルータの無線LANは一切使う予定がないので、電波の送出自体を完全にOFFにしている.F660AのWEB GUIベースのコンソールにログインし、ネットワークの状態を確認してみる.
モード IP 接続名 omci1_dhcp IPプロトコルのバージョン IPv4/v6 NAT 有効 IPv4アドレス 147.192.xxx.xxx/255.255.255.128 IPv4 DNS 118.238.201.33/152.165.245.17/0.0.0.0 IPv4ゲートウェイ 147.192.xxx.129 IPv4接続ステータス 接続中 IPv4のオンライン時間 81508秒 IPv4 リース残存期間 10294秒 IPv6 LLA fe80::6ed2:baff:fe1a:3bd6 IPv6 DNS 240d:10:4:5::33/240d:12:4:1b01:152:165:245:17/:: IPv6ゲートウェイ fe80::1 IPv6 プレフィックスデリゲーション 使用 IPv6 プレフィックスアドレス 240d:1a:xxx:xx100::/56 IPv6接続ステータス 接続中 IPv6のオンライン時間 81509秒 WAN MAC 6c:d2:xx:xx:xx:d6
F660AのWAN側に割り当てられるIPv4アドレスは、DHCPによるダイナミックなグローバルIPv4アドレスが割り当てられている.このグローバルIPv4アドレスは、一旦ユーザに割り振られるとなかなか変更できないようで、NURO光が開通してから1ヶ月が経過するが、その間何度もF66Aの電源をON/OFFしているが一度も変更されていない.DHCPのリース時間が経過しても引き続き同じIPアドレスが割り振られる確率が高いようだ.
一部のユーザはコンテンツプロバイダーのIPアドレスによるコンテンツアクセス制限の影響を受けてしまい、NURO光のサポートにクレームを付けているようだが、問題の原因はNURO光側ではなく、IPアドレスによるアクセス制限を掛けている間抜けなコンテンツプロバイダの方だ.国際間でのIPアドレスの売買は日常茶飯事なので、IPアドレスの所有者の情報を常に追い掛けていないと、IPアドレスによるアクセス制限など全く役に立たないだけではなく、多くのユーザに危害を与える事になる.
IPv6アドレスに関しては、56 bit長のprefixがDHCPv6-PD方式でNURO光側から割り当てられているようだが、残念ながら、F660AはDHCPv6-PD方式で配下のルータに Prefix Delegation を行うことができないようだ.IPv6関係のアドレスハンドリングに関してはマニュアルを見る限り、Prefix Delegationができそうなのだが、実際に配下のルータをPrefix Delegation方式で設定してみても全く思い通りにならなかった.恐らくF660Aがいい加減な実装しかしていないのだろう.
まあ、予想はしていたが、NURO光から提供されるONU一体型のがらくたルータではまともなIPv6のハンドリングは無理なようだ.せめて、ONUとルータ機能を分離する機能を公開してくれれば何とかなるのだろうが、ONU一体型ルータの機能は完全なブラックボックスで、エンドユーザ側では手が出せそうもない.
ビジネスタイプのNURO光では、ONU単体で提供されているのだが、マンションタイプのサービスではビジネスタイプの申し込みができないようだ.ビジネスタイプは法人登録されている組織しかサービスを申し込めないので、ビジネスタイプのNURO光は諦めるしかないだろう.
IPv6 Test サイトで確認
USENのスピード計測サイトで簡易スピード計測を行ってみる