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2007
Mac OS X Server Tips : ポータブルホームディレクトリ #4
External アカウントの設定
モバイルアカウントの場合、ユーザのアカウントとホームディレクトリの格納先は対象となるコンピュータのスタートアップボリュームに限られてしまうため、そのコンピュータの持ち主以外の人がモバイルアカウントを設定するのは現実的ではありません.
そこで今回のLeopardから新たに、ポータブルホームディレクトリを外付けのハードディスクに設定するだけで、様々なMac(OSX10.5 Leopardが必要)の下でモバイルアカウントと同じようにログインできる仕組みが加わりました.この方法では利用するコンピュータそのものには全く手が加えられないので、ユーザも気兼ねなく安心して外部のコンピュータを使うことができます.
External アカウントの設定方法は基本的にモバイルアカウントの場合と同じです.ログインしたユーザがホームディレクトリの格納先としてシステム起動ボリューム以外を選ぶだけです.一般的には外付けハードディスクなどの外部記憶装置ということになりますが、内蔵ハードディスクの別パーティションでも構いません.もっとも内蔵ハードディスクの場合はコンピュータの持ち主以外は設定できないでしょうし、持ち運びも設定の変更もできないので現実的ではないでしょう.
External アカウントの場合、ホームディレクトリは対象ボリュームの直下に “Users” というディレクトリが作成され、その中にユーザのホームディレクトリが作成されます.また、ユーザのアカウント情報は同じく対象ボリュームの直下に “private” ディレクトリが作成され、その中にアカウントの情報が格納されているようです.但しこの “private” ディレクトリはFinderからは見えないようになっていますので、”Terminal” 等で中身を確かめて下さい.現時点ではこの”private” ディレクトリの詳細は不明です.
Leopardではログインダイアログが表示されている状態で、Externalアカウントが設定されている外付けハードディスクを接続すると、その外付けハードディスクに設定されているExternalアカウントの項目が自動的にダイアログ中に挿入されます.外付けハードディスクを取り出すとダイアログからExternalアカウントの項目が自動的に消えます.コンピュータ側で特別な設定をする必要はありませんので、どのコンピュータでもユーザが自分の環境で作業できることになりますね.
セキュリティー面でやや不安がありますが、上手く使えばとても魅力的かつ有効な機能ですね.大学などでポータブルホームディレクトリの機能を上手く使いこなせるようになると、今まで膨大な費用を要していたコンピュータ設備への投資が抑えられそうですね.
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