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2017
LUNDAHL LL1582 トランスを購入
DACのI/V変換用にLUNDAHLのトランスを入手してみた
ライン出力用トランス LUNDAHL LL1582
ESSのES9038PRO DACチップを入手し、DIYINHKなどの基板に実装して試してはいるが、ES9038PPRO DACチップの扱いにくさ(大電流出力に対応できるI/V変換回路の製作が難しい)もあって、納得の行くような音質が得られていない.
普通のOPアンプではES9038PROの出力電流を受けきれないので、BUF634のようなバッファーアンプをカスケード接続せざる負えないのだが、こんな余計な物が間に入ってしまうので、音質的にイマイチなものとなってしまうのは仕方が無い.
頑張ってFETやトランジスタでディスクリートI/V変換回路を自作するという手もあるが、そこまでする時間的な余裕も無い.一方、I/V変換をOPアンプやFET、トランジスタのような能動素子を使わずに、昔ながらのオーディオ用のライントランスを使って自作DACを組み立てている人も多い.
ライントランスなどという前時代の遺物のような物が果たして最新のハイレゾルーションオーディオの重要パーツとして有効な物かどうかは現時点では分からないが、DAC自作マニアはOPアンプ派とディスクリート派、それにトランス派の3つに分かれるようだ.
70年代はタムラ製作所の小型オーディオ用トランス(TK-xxxシリーズ)を良く利用していたが、Hi-Fiオーディオ用途というよりはプロオーディオ機器のバランス・アンバランス変換やマイクロフォンの入力用としての用途だった.今となってはタムラ製作所のこのTKシリーズも作られてはいない筈なので、何処かで在庫品を入手するかヤフオクなどで出まわっている物を入手するしか方法がないだろう.
秋葉原のラジオデパートB1Fの野口トランスではまだ販売しているTKシリーズが有るようだが、昔と違ってかなり高価な値段で売られているようだ.私が購入していた頃は一個あたり2~3000円程度で買えたような記憶があるが、今は1万円の大台にのりそうな値段のようだ.
タムラのトランスは入手が難しいが、海外製ではスウェーデンのLUNDAHL社のトランスがまだ現役バリバリで入手可能で、プロオーディオの分野では評判が良いようだ.製品の種類も豊富で、一杯有りすぎてどの型番を使ったら良いのか分からないくらいだ.因みに、LINNのデジタルネットワークプレイヤーのKlimax SystemシリーズでこのLUNDAHLのトランスが用いられていることはオーディオマニアの間では有名な話だ.
LUNDAHLのトランスは日本でも入手可能で、オーディオ用の各種パーツ販売で有名な秋葉原のアムトランスやプロオーディオの分野で各種機器の製作やスタジオ機材を手掛ける株式会社トライテックさんなどから購入可能だ.
アムトランスさんは常時在庫が無く注文してから入荷するまで時間が掛かるようなので、今回は在庫が有りそうなトライテックさんから購入した.LL1538, LL1540, LL1524, LL1582などのメジャーどころは在庫があるようなので、これらの製品を直ぐに欲しい場合はトライテックさんから購入するのが良いだろう.
今回は、LL1582を2個程購入し、ES9038PROのI/V変換に適用してみようと思う.LL1582はサイズの割に大入出力が可能で、カタログスペックでは最大出力レベル+30dBu (50Hz)となっている.LL1582を実装して音出しが行えたらまた報告する予定だ.果たしてES9038PROのI/V変換に耐えられるのか興味津々だ.
・LUNDAHLのライントランス製品カタログ
http://www.lundahl.se/wp-content/uploads/catalogue/Catalogue_20170118.pdf
・Analog Devices社の Transformer I/V変換に関する Application Notes
”Driving a Center-Tapped Transformer with a Balanced Current-Output DAC”
http://www.analog.com/media/en/technical-documentation/application-notes/AN_912.pdf
DIYINHKのES90x8PRO リファレンス基板のI/V変換回路をLL1582でリプレース予定