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2025
インターネット接続用の10Gルータを検討してみる
FLET’Sクロス対応の10Gルータを検討してみる FLET’Sクロス回線を引いてみたものの、肝心の10Gのインタフェースを持つ堅牢で安定的な本番用ルータをまだ持ち合わせていない.とりあえず手持ちのBanana Pi R4とOpenWRTを用いた簡単なテスト(VNEサービスはアルテリアのXPass)で、IPv6ネイティブ状態(IPv4の通信は未計測)ではあるが、スピードサイト計測で3.6Gbps程度出ていたので、OpenWRTとBanana Pi R4の組み合わせでもそこそこ実用的なスピードが得られそうな感じだ. OpenWRTとBanana Pi R4の組み合わせで安定した環境と楽な運用ができるのであれば申し分ないのだが、OpenWRTの設定はとても複雑で、どのようなパッケージ導入してどのような設定を行えば良いのかは専門家でも難しいだろう.ネット上から情報を拾い集めて、自分のやりたいことを実装出来るようになるまでには、相当な試行錯誤と時間が必要だろう. OpenWRTによる実装については、今後もう少しOpenWRTが使いこなせるようになった段階でまた言及したいと思うが、とりあえずもう少し現実的な選択肢として、市販の業務用ルータを用いてインターネット接続用の10Gルータを構築することを検討することにする. NEC IXシリーズ NEC UNIVERGE IX3315 10G対応ルータ (爆音注意!!!) NECのホームページ: https://jpn.nec.com/univerge/ix/Info/img/ix3315/top_3315.png から引用 ルータとしての実績や安定性・機能的な面からはNECのIXシリーズが最有力候補なのだが、10Gインタフェースを備えたモデルはあまり選択肢がなく、従来から販売されているセンター集約タイプのIX3315、比較的新しいIX2310シリーズだろう.昨年からはハードウェアやファームウェアを一新したIX-R2530シリーズが発売されている程度だ. IX3315はオークションサイトなどで比較的安価に入手可能だが、1Uフルサイズで掃除機並みの爆音ファンなので、とても一般家庭に設置できる代物ではない.ファンを静音タイプに換装して人が常駐していない場所に設置すれば何とか実用となるレベルだろう.筐体が1Uサイズなので搭載しているファンは40mmサイズとなるので、安定した風量を確保するためにはファンの回転数が10,000RPMを超えるような状態となってしまう.筐体全体を冷やすファンが2個、電源モジュール部分に2個(電源ユニットが冗長化されている場合はそれぞれ2個ずつ)なので、NoctuaのNF-A4x20に交換するだけで、諭吉さんクラスの出費となってしまうのがちょっと辛いかも. SFP+インタフェースが必要なければ、小型でもっと音の静かな(IX3315に較べれば)IX2310やIX-R2530ということになる. IX2310やIX-R2530は1Uハーフサイズではあるが、ファンの騒音はそれなりに発生(IX2310 : 50dB以下, IX-R2530: 35dB,高温時45dB以下)するので、やはりファン換装が必要だろう. IX2310, IX-R2530の中古はまだ出回っていないので新品を購入するしか選択肢がないが、IX2310で24〜25万円程度、IX-R2530でも14万円程度はするので、金銭面ではIX3315の中古を入手(7〜10万円程度)して自分でファン換装を行うのが現実的だろう.IX2310はマルチギガポートが4つ、IX-R2530にはマルチギガポートが2つと1Gスイッチポートが4つあるが、何れもSFP+ポートがないのが残念なところだ. IX3315のハードウェアスペックを覗いてみると、使用されているCPU(SoC)は NXPの QorIQ communication processor で、ARM Cortex A-53コアがベースとなっている物の様だ.ハードウェアベースのIPSecエンジンを搭載しているので、CPU自体にはそれ程負荷が掛からないのだろう.具体的なコア数については記載が無いが、CPUの性能自体はBanana Pi-R4 に搭載されている MediaTek Filogic 880 チップの方が良さそうだ.OpenWRTをBanana Pi-R4用にカチカチにチューニングするこどが出来ればかなり高性能なルータを実現できそうだ. YAMAHA RTX1300 業務用としては中途半端な位置づけのRTX1300のWEB GUI管理機能 一般家庭?用の10GルータとしてはNECのIXシリーズよりもYAMAHAのRTX1300の方がメジャーな存在だが、最近どんどん値上がりしているの(発売開始当時 税込 217,800円、現在 税込 264,000円)で、新品を購入する場合は15〜18万円程度を見込んでおく必要がある. 私は仕事場でRTX1300を2台組み合わせてL2延伸(L2TPv3)用に使用しているが、特に大きなトラブルも発生していないので、一般家庭用としてはこちらの方が導入し易いのではないかと思う.静かな部屋ではファンの騒音は気になるかもしれないが、騒音が気になる場合は静音ファンに換装すれば良いだろう. RTX1300の上位機種としてRTX3510があるがこちらはIX3315などと同じセンター集約用のルータで、値段も定価ベースで884,400円(税込)なので、性能もRTX1300と大差なさそうなので、あえてこの機種を導入するメリットはないだろう. RTX1300の主な用途としては店舗や小規模事業所などでインターネット回線を利用してIPSec等によるVPN接続を行い、本社や事業所などとの間でセキュアなネットワークを構築することをターゲットにした製品の筈だが、何故か家庭用の中途半端で使い道のないGUIインタフェース機能が導入されている.ダッシュボードや管理機能以外は殆ど意味の無い無駄な機能なので、このGUI機能を省いてその分リソースを本来の機能向上に使って欲しい.業務用のルータに無駄なGUIは不要だ. Fortigateシリーズ 【中古品の入手は要注意!!!】 […]