今回の”ポータブルホームディレクトリ”の話は、このようなサーバ上のアカウントを使っているユーザが、自分のホームディレクトリのデータを別な場所(自宅や外出先など)で使えるようにするという話です.
ホームディレクトリの場所を変更する「Leopard編」 Mac OS X 10.4(Tiger) でローカルユーザのホームディレクトリの格納場所を変更する方法については先の記事( Mac OS X Tips #1 ホームディレクトリの場所を変更する)で紹介しましたが、Mac OS X 10.5(Leopard)では設定方法が異なります. LeopardではNetInfoデータベースを用いずに /var/db/dslocal/nodes/default/users というディレクトリ下にローカルアカウントの情報を記録しています.このディレクトリの中身を覗いて見れば分かりますが、<ユーザ名>.plist というファイルにアカウントの情報がXML形式のテキストで記載されているだけです.テキストエディタで簡単に編集可能です. 変更したいアカウントのファイルテキストエディタで開き、その中から”home”というキーを捜し出し、ホームディレクトリの場所を書き換えればOKです. sh-3.2# cd /var/db/dslocal/nodes/default/users sh-3.2# pwd /var/db/dslocal/nodes/default/users sh-3.2# ls -la total 384 drwx—— 45 root wheel 1530 Oct 22 16:23 . drwx—— 8 root wheel 272 Sep 26 19:22 .. -rw——- 1 root wheel 676 Sep […]
ZFS関連の話題 Appleが次期OSである OSX 10.5(Leopard) に Sun Micro Systems が開発した新しいファイルシステムZFS を採用するというアナウンスが6月のWWDCでもありました.Leopardのリリースが間近に迫っていますので、ZFS関連の話題を拾ってみました. ZDNetのRobin Harrisさんの記事 “Apple’s new kick-butt file system pushes on” http://blogs.zdnet.com/storage/?p=202 でも紹介されていますが、先のデベロッパ向けのLeopard Seed (9A559)でも、まだZFSファイルシステムは完全な状態では組み込まれていません.Mac OS X のドライバ等が納められているカーネルエクステンションフォルダ(/System/Library/Exensions)の中には “zfs.readonly.kext”という読み込み専用のZFSドライバモジュールがあるだけです.残念ながらLeopard出荷時にはZFSはNTFSのようにRead Onlyのファイルシステムとしてしか使えないようです. ZFSには今までのファイルシステムにはない魅力的な機能が一杯です.Apple からは xsan という ファイバチャネルベースのストレージシステムがリリースされていますが、とても一般ユーザが手を出せるような代物ではありません.ZFSのようなファイルシステムがクライアントOSベースでサポートされるようになると、ファイルシステムが壊れて大事なデータを飛ばしてしまう確率は減りそうですね. ”ハードディスクのクラッシュを言い訳にしてきた人たちにとっては迷惑なことかもしれませんが...” Leopardのリリース版でZFSが完全な形でサポートされないのは残念ですが、なるべく早くZFSが使えるようになって欲しいですね.デベロッパシードでは読み書きできるZFSが配布されているので、暫くはそれでZFSをテストしてみようと思います.現状ではコマンドラインからしかZFS関係のファイルシステムの操作はできませんが、コマンドラインはSoralis 10 でのコマンド体型がそのまま使えます.ZFSはオープンソースで公開されており、御本家のSoralis 10を始めとして、 FreeBSDや一部のLinuxでもZFSの移植が進んでいるようです. ZFSに関する資料はあまり出まわっていませんが、興味のある人は“open solaris”のZFSに関するサイトを除いて見て下さい.英語の資料しかありませんが、ZFSに関する情報が入手できます.
ホームディレクトリを別な場所に設定する方法 Mac OS X では個人のデータや環境設定情報は全てホームディレクトリと呼ばれる場所に置かれています.このホームディレクトリは個人毎に割り当てられていて、手元のコンピュータのハードディスクドライブやネットワークでつながれたファイルサーバ上に置かれます.家庭などで個人的にMac OS X を使用する場合には、1台のMacを単独で使用するスタンドアローン形態が普通の使い方でしょう.このような利用形態ではユーザのホームディレクトリは手元のコンピュータのハードディスクドライブに置かれます. Appleが Mac を出荷する場合、Mac OS X とユーザのホームディレクトリを単一のボリューム上に置くように設定されています.このような利用環境はシステムの運用面から見た場合決して好ましいものではないのですが、一般のユーザにはなるべくシステムの内部の構造を意識しなくても使えるようにしたいというAppleの考え方に基づくものなのでしょう.それはそれでとても理に適った方針なのですが、コンピュータをハードに使いこなすユーザ、所謂パワーユーザにとってはこのような使い方は不都合です. このような環境で長い間コンピュータを使用しているとOSのデータとユーザのデータがハードディスク上でごちゃ混ぜになり、データのフラグメンテーションが生じ易くなってしまいます.このような状況に陥るとハードディスクのアクセススピードが低下してしまい、コンピュータのパフォーマンスも悪化してしまいます.また、何かのトラブルでデータを消失する危険性が高くなります.OSの再インストールや新しいOSに入れ替えたり、データのバックアップ・リストアなどを行う事を考えると、システムの領域と個人のデータ領域は完全に切り離した方が何かと都合が良いと言えるでしょう.Macのパワーユーザであれば既にハードディスクをパーティション分割して個人のデータをシステムとは別に置かれている方も多いことと思います. そこで、今回は個人のホームディレクトリを、OS X のシステムボリューム以外に置く方法について説明することにします. Mac Pro やPowerMac G4/G5 のような大型のデスクトップマシンを除けば、内蔵可能なハードディスクは1台のみで、シングルパーティションの状態でMacが出荷されています.このままではユーザのホームディレクトリをシステム領域と分離することはできませんので、Apple標準のDikUtilityやIpartition. Drive Genuisなどのサードパーティ製ハードディスクユーティリティーを使って、ハードディスクをパーティションに分割する必要があります. 今回のテーマはホームディレクトリの場所の変更ですので、パーティションに分割する方法については別な機会に譲るとして、ここでは既に分割された別なパーティション領域(ボリューム)が存在するものとして話を進めます. 標準的なホームディレクトリの格納先 Mac OS X の初期インストール状態では、ユーザのホームディレクトリは、ルートディレクトリ直下の”Users”というディレクトリに置かれています.Finderの上では日本語環境では確か ”ユーザ” という名前が付いていたと思います. 今回実験に使用したマシン(Intel iMac)は5つのパーティション(ボリューム)に分かれていて、そのうちの”Home”という名前のボリュームをユーザのホームディレクトリ用に割り当てるものとします.ここでは名前は”Home”になっていますが、ボリュームの名は何でも構いません. MacやWindowsなどGUIベースのOSしか使ったことがない人にとって、コマンドベースの世界は少し敷居が高いかもしれませんが、コンピュータの内部を少しでも理解するには欠かせない知識ですので、この際思い切って挑戦してみて下さい. まず、Mac OS X が内部でハードディスクのパーティション(ボリューム)をどのように管理しているのか見てみましょう.”Utilities”フォルダにある”Terminal” を起動して次のコマンドを入力して見て下さい. df -m このdfコマンド以外にもハードディスクのパーティション(ボリューム)の状態を表示するコマンドは幾つかありますが、このdf コマンドが安全で手っ取り早く状態を表示できます. iMacTiger:~ yasuaki$ df -m Filesystem 1M-blocks Used Avail Capacity […]
既存のWindowsパーティションを用いてVMWare Fusionを利用する 今回の記事では、既にBootCamp Assistant 等のツールを用いてWindowsとMac OS X とを切り替えて使用しているユーザがVMWare Fusion やParallels Desktop for Mac を用いて仮想マシン環境でWindowsを動かす方法について紹介します. まず、実験に用いた環境ですが iMac 17inch (初代Intel iMac)に400GBのハードディスクを搭載し、パーティションを5つに分けてあります.使用OSは Mac OS X 10.5 (Leopard 9A559) で搭載メモリは 2GB です.Windows用のパーティションはNTFSで作成してあり、Windows XP SP2 がインストールされています.iMac用のデバイスドライバやアプリケーションソフトウェアが予めインストールされています. 尚、今回の実験では通常のBootCamp 環境とはパーティション構成が大きく異なっていますが、VMWare Fusionの利用には支障はありません. [mygallery gid=”group1″ display=”lightbox” columns=”2″ bgs=”width:340px ; background-color: #eee; border: 1px solid #888; margin: 0 auto;” imgs=”border: none;”] VMWare Fusion を起動すると、既存のWindows パーティションにアクセスするための”Boot […]
VMWare Fusion を用いてBootCampパーティションからWindowsを起動する VMWare FusionやParallels Desktop for Mac では、前回の記事 『MacでWin – VM編 (その2)』(現在この記事は消失中) で行ったような方法で仮想マシンのイメージファイルを作成し、そこにWindowsをインストールする代わりに既存のBootCampパーティション上のWindowsをそのまま使って仮想マシンのイメージファイルを作成することができます. この場合、既にWindowsのインストールは済んでいますので、面倒で退屈なWindowsのインストールに時間を掛けずに済みます.また、既存のWindowsで設定してあるユーザ環境をそのまま引き継げるのでとても重宝します.BootCampとVMWareとでシームレスなWindows環境を構築できます. ただ残念ながらこの方法ではBootCamp時のようにIntelMacのハードウェアに直接アクセスするわけではないので、やはりパフォーマンスの低下は避けられません. IntelMac上でWindowsを動かす方法として、BootCamp、VMWare Fusion(通常のイメージファイル作成)、VMWare Fusion(BootCampパーティション利用)の3つの方法がありますが、この3つの方法の違いを分かり易くするため、図にしてみました. Virtual Machine のOS レイヤー BootCamp方式はWindowsを動かしているハードウェアがIntel Mac であること以外は通常のWindowsの利用方法と全く変わりはありませんので容易に理解できると思います.AppleからIntelMacのハードウェアに適合したWindows用のデバイスドライバが提供されていますので、パフォーマンスは抜群です. 図左下のVMWare Fusionでのイメージファイルによる利用法は、VMソフトウェアの稼働方法としては一般的な形態で、VMソフトウェア専用のイメージファイルをホストOS上に作成し、そのイメージファイルの中にゲストOSをインストールする方法です. この場合、Windowsからのハードディスクへの入出力操作は、イメージファイルの中に作られた仮想的なWindowsドライブに対して行われることになり、VMWare FusionおよびMac OS X が間に入るので、ディスクアクセスのパフォーマンスが低下します. 今回のテーマである VMWare Fusion でBootCampパーティション上のWindowsを利用する方法(右下図)ですが、前の二つの方式の折衷案みたいな方式で、WindowsシステムそのものはBootCampで作成されたWindowsのシステムをそっくりそのまま使う方式です. イメージファイルの中にWindowsシステムをインストールする訳ではありませんので、Windowsのハードディスクへの入出力操作は実際のファイルシステム(FAT32またはNTFS)に対して行われます.但し、このWindowsシステムに組み込まれているデバイスドライバはIntelMac用なので、VMWare Fusion の仮想マシンのハードウェアには適さないので、新たに仮想マシン用のドライバが必要になります.このため、この方式でWindowsを動かす場合でも仮想マシンのイメージファイルは必要です.イメージファイルそのものにはWindowsシステムを組み込む必要がないので、このイメージファイルは非常にコンパクトです. 先のイメージファイル方式の最大のボトルネックである仮想ディスクドライブへの入出力が減る分、パフォーマンスは改善されるはずです. VMWare Fusion で既存のWindows パーティションを利用してWindows XPを稼働させる方法については、次の記事で紹介することにします.
MacでWindowsを動かす別な選択肢 – Virtual Machine 先の『MacでWin – BooCamp』編ではIntel MacにWindows用のパーティションを用意し、そこの直接Windowsをインストールして起動OSを切り替えてWindowsを動かす方法について述べてきましたが、別の選択肢として、仮想計算機(通称Virtual Machine : 略してVM と呼ばれる)を用いて、WindowsやLinux, Soralis 等のOSをIntel Mac上で動かすことが可能です. VM自体の歴史は結構古くて、1980年代前半にはIBMのメインフレームSystem/370上でVM用のOS(VM/XA)が稼働していました.PCの世界でVMが使われるようになったのは比較的最近の事で、レンタルサーバなどのホスティングサービスで盛んに使われているのではないかと思います. デスクトップ環境ではVMWare社がLinuxやWindows上で稼働するVMソフトウェアを数年前から手がけていましたが、ごく一部の特殊なユーザが利用しているというのが現状ではないでしょうか.Macの世界でも昨年のIntel Macの発売とParallels社のParallels Desktop for Mac のリリース以来、VMに注目しているユーザは多いのではないでしょうか. 現在、Mac用のVMとしてParallels Desktop for MacとVMWare Fusion の2つがしのぎを削っており、バージョンアップが頻繁に行われており、どんどん改良され使い易くなってきています.そこで、今回はVMを使ってWindowsを動かす方法について簡単に紹介しようと思います. VMという概念は一般の方々にはあまりなじみがないと思いますので、簡単に説明しておきます.一般的なコンピュータでは、コンピュータ本体であるハードウェアとその上で稼働するMac OS X やWindows XP, Vista などのオペレーティングシステム(OS)と呼ばれるソフトウェアとこれらのOSの基で動くアプリケーションソフトウェア群によってコンピュータシステムが階層的に構成されていることはご存じの事と思います. この3つの階層のうち、一番上位のアプリケーション層にVirtual Machine という仮想的なハードウェアをソフトウェアによって構築するアプリケーションソフトウェアを一般的にVMソフトウェアと呼んでいます.先のParallels Desktop for MacやVMWare FusionはこのVMソフトウェアに相当します.このVMソフトを動かすためのOSをホストOSと言い、VMソフトウェア上のVirtual Machineで稼働するOSをゲストOSと呼んでいます. ゲストOSの立場から見ると、下位のホストOSや実際のハードウェアがどのような構成であろうと関係なく、あくまでもVirtual Machineという仮想的なコンピュータハードウェア環境下で動いているとしか認識していません.実際のハードウェア構成やホストOSの違いはすべてVMソフトウェアが間に入って上手く処理してくれるため、ゲストOSはあたかも自分が専用のハードウェア上で稼働しているのと同じように振る舞うことができるのです. Virtual Machine のOS レイヤー このVMを用いてWindowsを動かす場合の最大のメリットはMac OS X とWindowsが同時に使用できることではないでしょうか.BootCamp編で紹介したWindowsとのマルチブート環境では、OSを切り替える度に毎回再起動をしなければなりませんし、データをMac OS XとWindowsとで共用する場合、一旦外部のファイルサーバ等を介さなければなりません. […]
マルチパーティションでのWindows XPインストール 前回の記事でマルチパーティション環境でのWindowsのインストール方法について概要を説明しましたが、実際に試したパーティションの構成を図示しておきます. “実験したパーティション分割パターン インストールが成功するのは、左端のパーティションパターンのみで、それ以外のパーティション構成でインストールしようとすると、Windowsの2nd stage インストーラー起動時に、次のようなエラーメッセージが出てこの状態から先に進められません. “インストール時のエラーメッセージ パーティションツールやコマンドを駆使すれば、左端のパーティションパターン以外でもWindowsを稼働させることは可能なのですが、複雑な手順を踏まなければ実現できませんでした.一番左端のパーティションであれば通常のDiskUtilityだけで簡単に実現可能です.OSの再インストールの事などを考えるとWindowsは第4番目のパーティションにインストールするのが良いでしょう. 実際にMacBookのマルチパーティション環境でWindowsが稼働している様子です.
BootCamp Assistant を使わずにWindowsをインストールするには 前回の記事で、Windows用のFAT32/NTFSパーティションを2〜4番目のどこかに確保すると述べましたが、実際にWindowsをインストールしてみると、どのパーティションにインストールするかによってWindowsのインストールが成功するか失敗するか決まることが分かりました. 色々と実験を重ねた結果、次のような条件であれば上手くWindowsがインストールできることが判明しました. ・Windows用のパーティションが2〜4番目のパーティションのうち一番最後に確保されている ・Windows用のパーティションが1つしかない 実地検証 今回の実験用としてMacBookを使うことにしましたが、 このマシンは現役で使用している物なので、できれば現状のハードディスクに変更を加えるのは避けたいところです.そこで実験には手持ちの余っているハードディスクを使うことにしました.幸いMacBookのハードディスクの入れ替えは簡単に行えるので、この手の実験を行うには好都合です.あと可能であれば、FirewireかUSBの外付けハードディスクを用意し、起動可能なシステムと各種ユーティリティーツールを入れておけば、トラブル時やメンテナンスなど何かと重宝します. Step 1. OSXに標準で備わっているDiskUtilityを使って予めパーティションを作成する ER105:~ yasuaki$ sudo gpt show disk0 gpt show: disk0: Suspicious MBR at sector 0 start size index contents 0 1 MBR 1 1 Pri GPT header 2 32 Pri GPT table 34 6 40 409600 1 GPT part – C12A7328-F81F-11D2-BA4B-00A0C93EC93B 409640 67108864 […]
BootCamp Assistant によるWindowsのインストール 近日中にリリース予定のMac OS X 10.5 (Leopard) ではBootCamp Assistant が標準でインストールされています.今まではBootCamp AssistantによりWindowsのドライバCD-ROMを作成する必要がありましたが、LeopardではOSXのインストールDVDがハイブリッド形式で作成されていて、インストールDVD自体がWindows用のドライバインストーラーになるものと思われます. BootCampのエラーメッセージ BootCamp Assistant 自体は従来のベータ版とそれほど大きな違いは無いようです.従来同様シングルパーティション以外では使えないようになっています. まず最初にBootCamp Assistant がどのようにハードディスクのパーティションを分割しているのか検証してみましょう.使用したBootCamp Assistant のバージョンは2.0で、OSは OS X 10.5 (Leopard Build 9A559) です. BootCamp Assistantを使用可能にするため、手持ちの空きハードディスクをシングルパーティションに戻し、Leopardをインストールしておきます.ハードディスクのパーティションの状態をコマンドラインツールで表示してみます. ER105:~ yasuaki$ sudo gpt show disk0 start size index contents 0 1 PMBR 1 1 Pri GPT header 2 32 Pri GPT table 34 6 […]